MorseRunnerを100日間やってみた

…三日ほどサボってしまったのでその分終了がずれてしまったのだけど。

ログのデータを一度飛ばしてしまったので、あまり正確ではないのですが、CWのオンエアに2年くらいのブランクがありました。2019年のNYPにはCWもやったのですが、それ以降出ていなかったようです。

んで今年、CWのリグを自作し、免許を下したので、やっぱQSOしたいなあと思うようになりました。

ですが、ブランクがあるので、ちゃんとQSOできるかどうかわかりませんでした。

となると練習するしかありません。

MorseRunnerとは

まあさんざん紹介されているので、ここではグダグダ書きません。適当にググってください。

私の場合、練習と言えばこのMorseRunnerです。古いフリーソフトですが、まだ入手可能だし、Windows10でも動作します。

簡単に言うとパイルアップシミュレーター、コンテストシミュレーターというやつで、NRを交換して、パイルを捌く練習ができます。本物の交信のように、QRM(混信)やQRN(空電・ノイズ)、QSB(フェージング)、はてはLID(ヘボなオペレーター)なんかもオプションでつけることができます。受信音がリアルに再現されているので、本当にパイルアップを捌く感じが楽しめます。

練習方法

といっても、フルオプションのパイルアップは相当難易度が高いので、まずは一番チョロい、オプション全部なしのSingleCall(1局ずつ呼んでくる)をやることにしました。

やることは、呼ばれたらコールバックしてナンバーを送出します。あっていればナンバーが返ってきますので、これを入力しTUを返します。これだけです。

ただこなすだけではつまらないので、記録を付けることにしました。スコアは右下に表示される”180QSO/hr”といった数字です。今のペースだと1時間当たりこの数のQSOができるでしょう、という目安の数字です。速く聞き取って速く返せば、それだけスコアが上がるだろう、ということです。これを毎日記録します。

時間ですが、長いと緊張感が保てないのと、取り組む時間が取れないので、1日1回10分だけ、としました。これなら朝イチでも深夜帰宅してからでも、なんとかできるでしょう。

というわけで、2021/08/12に開始です。25WPMからスタートしました。

スコアの推移

これが100日間のスコアの推移です。曲線は6次の多項式近似というやつです。始めたころは急上昇していますが、あとは緩やかな波でアップダウンしている、と言う感じです。

最初の1週間

最初はBとD、WとJ、VとU、QとYのような似たような符号で混同しやすかったです。またあまり出てこなさそうなX、Zを思い出せなかったり、FとLってどっちだっけとか、「符号をきちんと覚えていない(忘れてしまっている)」レベルであることがわかりました。

それでも4日目くらいまではスコアは上昇しました。やはり、やっているうちに思い出してくるようですね。

しかし最低144Q~最高180Qあたりをフラフラとします。

2週目~1か月目くらい

仕事でちょっとメンタル的に落ち込んでいたようですが、メンタルが落ち着くと、徐々にスコアも上がり、192Qが連続で出たりしました。

トータルで見ると、上り調子と言えるでしょう。昔やっていたことを思い出す時期、ということで、目に見えて向上したと言う感じです。

ですがまたメンタルが落ち込むとスコアも落ち込んでいきました。メンタルとCWは連動していますね。

3週間目くらいになると、若干ダレてきたようです。焦って少しずつスピードを上げていったのが引っかかったのかもしれません。

2か月目まで

1か月を過ぎたあたりからまた少しずつ上昇していきました。192Qを出す回数が徐々に増えていきました。調子に乗ってスピードも30WPMまで上げてみました。

168~192Qを行ったり来たりしますが、特にスコアが落ちることもなく、淡々とこなして言った感じです。緩やかに上昇しています。が、なんかこう、目に見えて向上した気がしません。

この辺から「あまりこの練習に意味ないんじゃないかな」という、プラトー(停滞期)によくありがちな思いが浮かぶようになりました。

MorseRunnerは、その特性から、若干「運」要素もあります。どんなコールサインに呼ばれるか、によって、スコアも左右されます。私はDX慣れしていないので、例えばKH6/******みたいなコールサインに慣れていません。数字で始まるコールサインもJAの7コールくらいしかQSOしたことがありません。やはり慣れていないコールサインが出てくると戸惑います。

また、NR? AGN?などと聞き返されることもあります。その分時間をロスしてしまうのですが、これもランダムっぽいので運要素と言えるでしょう。

いや、運とか言って逃げちゃダメなんですけど、そういうところが気になってくるんですよ、目に見えて向上しないときって。

2~3か月後

2か月過ぎてに突然224Qを出しますが、200越えと168Qを行ったり来たりし、どっちかというとその後下がっていきました。168Qが今までの最低線だったものが、突然144Qとか156Qとか落ち込むようになり、かと思えば200Qを越えたり、不安定になっています。

ラスト

この練習に飽きてきてしまったのか、スコアの向上が見られなくなりました。全体的には上がっているのですが、向上している感覚はありません。むしろ伸びないことにイライラしています。完全にプラトーですね。

感想

このソフトのいいところは何と言ってその受信音のリアルさだと思っています。本当にQSOしているような感じを楽しめるので、練習もあまりつらくないです。

自分の場合「符号を正確に思い出せない」のと「メモリー受信ができない」というのが欠点のようです。

符号を正確に思い出せないのは、単純にスピードを上げすぎているからかもしれません。30WPMに設定していると、最高速で30WPMで呼ばれます。遅いコールならゆっくり1文字ずつタイプして間に合うのですが、速い場合は「メモリー受信」ができないと致命的です。

メモリー受信とは、一文字目をいったん脳に記録し、二文字目を受信している最中に一文字目をタイプするような、そういう感覚と言えばいいんでしょうか。これが数文字レベルでできると、要するに脳内にバッファしておくことができるので、余裕をもってタイプできるようになります。

ところが、私の場合、いったん脳に記録したつもりなのですが、その瞬間にしゅわっと消えてしまうような、そんな感じなのです。ワーキングメモリが弱い、と言えるでしょうか。

なので、高速でタイプしようとするのですが、私はタッチタイピングもできないので、ミスタイプも多いのです。さらに符号を混同しやすいのが治っていなくて、結果として聞き返しが多くなります。

聞き取れたところだけ(ただし先頭から!)を返してナンバーを送信してやると、相手が再度コールし、続けて
NRも打ってきます。正しいコールとNRを入力すると、こちらは正しいコールバック+TUを送信してQSO完了、となりますが、結局相手は2度3度とコールサインを打ってくるので、その分時間の無駄になってしまいます。

当たり前ですが、一発で相手のコールを取れないと、ダメなわけです。

改めてコンテスターとかペディショナーってやっぱ凄いな、って思いました。

効果的な練習方法

たぶんですが、自分のやり方でトレーニングできるのは入門を終えたレベルの人です。

  • 符号を覚えた
  • CDなどで聞き取り練習をした
  • だいたい15WPMくらいは受信できる
  • 実際のQSOをワッチしている
  • けど実際にQSOするのはまだ自信がない

そういう人が自分のやった方法で練習すると、さらに向上が望めると思います。

ポイントは

  • いきなり長時間やらない。10分程度で、自分が集中できる時間だけやりましょう。
    1日に何度もやらない。スコアが良くないからと言ってもう一回、とやるのはよくないです
  • とにかく毎日10分でいいから続ける。
  • むやみに速度を上げない。20WPMくらいから始めて、徐々に速度を上げていきます。
  • なるべくタイピングを我慢し、脳にバッファするよう意識します(とはいえ最初はあまり速くないので、1文字ずつ追っかけてタイプしても間に合うでしょう)。
  • 聞き返しが減ったなと思ったら、+1WPMしましょう。
  • スコアを毎日記録するようにしましょう。連続記録が途切れるとモチベーションが下がります。そうならないよう意識ために記録をつけていきます。
  • スコアの上下に一喜一憂せず、淡々と続けましょう。
  • できればタッチタイピングも身に付けましょう。

そしてある程度やってみて、イケルな、と思ったら、実際にQSOしてみましょう。599BKスタイルなら、コールサインとRSTレポートの交換しかありません。

実際にQSOしてナンボです。実際にQSOするための練習です。ある程度練習したら、ビビらずCQを出してみましょう。

初心者を既に脱している人なら、実際にQSOを重ねたほうが練習になります。ただ事情があってオンエアできない場合などに、こういったソフトを使うといいかもしれません。

次の課題

どうやってプラトー、というか「飽き」を克服するか、ですが、いったんは速度を落としてやり直そうかなと考えています。

自分の脳の回路があやふやなまま、むやみに速度を上げても向上しないだろう、と思われます。

25WPMでも実際のQSOでは十分な速度と思います(実際に自分がQSOするときは18~20WPMくらいです)ので、まずはそのくらいの速度で、一発で取れるように、足元を固めていこうと考えています。

あとは、練習ばかりではなく、実際にQSOする数を増やそうと思います。

コールサイン聞き直すかもしれませんが、どうか許してください💦

 

カテゴリー: アマチュア無線と電子工作 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です